第182章 企みがばれる

「なるほどな。あいつ、わざと無茶を言ってるんだ。これ、踏み倒す気だろ。けどもう無理だな。前に自分から『協議書は2通作る』って言い出して、拇印まで押して……署名もしてるんだから!」

誰かが、はっとしたように声を上げた。

その議論が広がるにつれ、有村母はぴたりと黙り込んだ。だが胸の奥は、底なしの絶望で満ちていく。

10億。そんな大金、どう考えても用意できない。

これから先、一生取り立てに追われる未来しか見えなかった。

有村菜津美も、他人事ではない。

母が10億を払えないとなれば、矛先は必ず自分に向く。そうなれば会社だって守れない。あの会社は、菜津美そのものだ。

母の浅知恵が、自分を...

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